栃木急行電鉄はフィクションです。実在しません!!詳しくはこちら

■路線概要
| 路線地図 | 路線案内 | 停車駅 | 配線図 |
 栃木急行電鉄は、東京都の錦糸町と栃木県の西那須野をむすぶ本線を中心とした、総延長217.4kmの私鉄である。
 路線延長は近鉄(594.1km)、名鉄(502.5km)、東武(463.3km)に次ぐ第4位で、営団(177.2km)、西武(176.6km)、南海(171.7km)と同規模である。
 営業線は6つある。

路線名 区間 営業キロ 経由地(区市町村名)
本線 錦糸町-西那須野 147.2 墨田・江東・葛飾・足立・八潮・三郷・吉川・松伏・野田・境・古河・結城・
下野・上三川・宇都宮・塩谷・矢板・大田原・那須塩原
大宮線 七福-大宮 24.6 野田・春日部・さいたま
北総線 野田市-柏 14.3 野田・流山・柏
古河線 下総境-古河 13.7 境・古河
上三川線 多功-上三川 3.9 上三川
塩原線 西那須野-塩原温泉口 13.7 那須塩原

 直流1500Vで電化されており(塩原線は600V)、軌間は1067mmである。
 また、グループ会社に「東野鉄道(西那須野-大田原)」「那須電気鉄道(黒田原-那須高原)」がある。
■本線(錦糸町-西那須野/147.2km)
■路線図(押すと別画面で拡大します)

 東京都の中心部に位置する錦糸町から、宇都宮を経由して、西那須野をむすんでいる、栃木急行電鉄の本線である。
 ここでは、観光輸送、都市間輸送、沿線開発の3点から紹介する。

(1)観光輸送
 本線は、一年を通じて賑わう那須・塩原方面への観光路線である。
 栃木急行はこの地域の観光資源開発を熱心に進めてきた。

 看板列車の、特急「栃木路」号は錦糸町-西那須野間を1時間55分でむすんでいる。
全車リクライニングシートの快適な車内からは、遥か遠くにちらと見えていた那須岳が、だんだんと近づいて来て、矢板を過ぎたあたりからは大きな雄姿が望まれるという、旅情たっぷりの路線となっている。

 例えば…
 西那須野から駅前の路面電車に乗り込むと、約30分で湖のほとりの塩原温泉口駅に到着。名湯・塩原温泉へはバスですぐ。
 箒川沿いに、潜竜峡や布滝を眺めながらゆっくりとハイキングもできる。

 同じく西那須野からシャトルバスに乗り込み、黒田原まで行くと、那須電鉄のレトロな列車が待っている。那須高原まではおよそ30分。途中には「那須サファリパーク」もあり、そちらに寄り道するのも一興である。
 牧場で遊ぶもよし、茶臼岳に登るもよし。高原の新鮮な空気を味わいながら、心も体もリフレッシュしよう。

 他にも、近年とみに有名になった「宇都宮餃子」や、真岡鐵道のSLとタイアップした観光商品の開発にも力を注いでいる。
 また、沿線は古くから養蚕業が盛んで、それらにまつわる史跡や地名も多いことから、テレビCMなどで「Silk Road Tochikyu」として、沿線の観光開発とイメージアップに努めている。

(2)都市間輸送
 本線は、観光路線であるとともに、宇都宮・矢板・大田原などと東京をむすぶ都市間輸送路線でもある。
 特に、人口51万人の宇都宮と東京をむすぶ輸送は、JRや東武鉄道と激しいシェア争いを演じてきた。
 現在、本線は錦糸町-宇都宮間を特急77分、急行86分、快速104分でむすんでいる。
 対するJRは上野-宇都宮間を新幹線やまびこ46分、快速ラビット104分である。
 宇都宮は、京阪神のような乗客の流動はないが、宇都宮の規模は北関東で一番大きく、今後もその発展と乗客の伸びが期待される区間である。

(3)沿線開発
 高度経済期以降、本線沿線は東京や宇都宮のベッドタウンとして沿線人口が増大してきた。
 それに伴い、都市開発も盛んに行われている。
 特に栃木急行電鉄が近年力を入れているのは、茨城県東部の丘陵地帯である。
 「北総ニュータウン」と銘打ったこの地域は、住宅地としての条件に恵まれており、自然との共存を目指した新しいコンセプトの街づくりが進行している。
 昭和60年に開業したゆうき北陽台駅周辺の街並みはおしゃれで、郊外型スーパーを駅前に誘致するなど、更なるイメージアップに努めている。

 都心部では、四つ木から、錦糸町・大手町・永田町・渋谷を経由する東京メトロ半蔵門線と相互直通運転を行い、利便を図っている。
 列車種別は「特急」「急行」「快速」「準急」「区間準急」「普通」の6種がある。

 下野田原-矢板間と野崎公園-西那須野間は単線、四つ木-綾瀬間は複々線、それ以外は複線である。
■大宮線(七福-大宮/24.6km)
 野田市内に位置する本線の七福(*注:実際の東武野田線七光台付近)から、春日部で東武伊勢崎線と交差し、岩槻を経由して大宮に至る路線である。
 首都圏の鉄道は、概して東京から放射状に路線を延ばしているが、大宮線は東京へ向かわず、東京へ向かう各線に連絡する横断鉄道である。
 沿線はこちらも宅地化が進み、それにあわせ、列車の増発が行われてきた。
 現在は日中でも各区間毎時6本以上が運行されており、フリクエンシーが確保されている。
 さらに、20分毎に快速が運転されている。これは春日部-大宮間で急行運転を行うもので、同区間を最速16分でむすんでいる。
 このため、春日部から都内に向かう場合、目的地によっては東武伊勢崎線利用よりも大宮線利用のほうが早いことがあり、利用者に喜ばれている。
 全線複線である。
■北総線(野田市-柏/14.3km)
 本線の野田市から、常磐線の柏に向かう路線である。
 こちらも大宮線とあわせて、首都圏の環状線の一部をなしている。
 沿線は新興住宅地となっており、よく緑地が整備された良好なベッドタウンとなっている。
 全線複線。
 朝夕に数往復の特急が走るほかは普通列車のみで、日中は10分毎の運行となっている。

 現在はどちらかというと目立たない存在の同路線だが、栃木急行電鉄で一番最初に開業した区間であり、貨物列車の最後の廃止区間になるなど、歴史のある路線である。
■古河線(下総境-古河/13.7km)

 本線の下総境から、旧総和町を通って古河に至る、全長13.7kmの路線。

車窓からも眺められる筑波山

 古河と境は猿島郡の二大拠点であり、特に古河は、城下町として、また水運の拠点として栄えてきた。それらをむすび、栃木急行の本線とつなぐ目的でできた路線である。
 しばらくは1ローカル線に過ぎなかったものの、高度経済成長が過ぎ、日本経済が安定成長に入った1980年代、首都圏近郊にありながら、丘陵地帯で田園風景が広がっていたこの地域にも開発の手が及び、盛んに投資がなされるようになった。特に、「北関東工業地域」の一角として工場の進出が目覚ましく、駒羽根周辺には、セキスイハウス、東亜ペイントなど多くの有力企業が沿線にできている。
 さらにバブル期からは、先述の北総ニュータウン事業とあいまって、住宅地開発がなされている。
 しかし、住宅開発に関しては、バブル崩壊以降、思うように開発が進んでいるとは言えない現状にある。

 全線単線。日中は30分毎運転。ワンマン化はまだなされていない。

 古河では、佐野との間をむすぶ「国鉄都賀線」が接続している。
 国鉄都賀線は、第2次特定地方交通線に指定され、さまざまないきさつから第3セクター「都賀鉄道」となった。
 栃木急行電鉄では、これを生かして、都賀鉄道・両毛線・わたらせ渓谷鉄道経由のトロッコ列車が計画されており、アクセス路線として新たな活路を見出そうとしている。

■上三川線(多功-上三川/3.9km)

 本線の多功から上三川へ向かう全長3.9kmのミニ路線である。
 途中駅はなく、単線で、朝夕は2両編成が走ることもあるが、基本的には単行の車両が行き来するのみの閑散路線である。
 こうしたこともあり、同路線はいち早くワンマン運転が採用された。
 日中1時間毎の運転であり、朝夕でも20〜30分毎と、本数は少ない。

 現在はこのようなミニ路線であるが、もとは戦前、宇都宮と真岡をむすぶ幹線として計画された路線である。
 上三川まで開業したところで昭和恐慌となり、その先の鬼怒川橋梁を作る予算がつかず、建設が頓挫。
 戦後も地元を中心に延伸運動が展開されたが、いまだ実現されないまま今日を迎えている。
 上三川駅以西もしばらく地盤が続いていたり、その先もところどころで建設跡が見受けられるのはそのためである。

■塩原線(西那須野-塩原温泉口/13.7km)
 本線の終点で、JR線や東野鉄道も通る西那須野駅を起点に、塩原温泉口へ至る路線である。
 扇状地上をまっすぐ延びる開拓道路の上を走る路面電車で、高原を走る小さな電車の姿は絵になると、観光客から人気がある。
 運転間隔は、日中30〜60分毎であるにも関わらず、多客期には10分毎のピストン輸送を行っているほどであり、典型的な観光路線である。
 このため、平日の利用を喚起するべく、2km以内の区間では運賃を100円にして、地元へのPR活動を行っている。

 栃木急行電鉄では、「乗ること自体が楽しい路面電車を」というコンセプトで、路線自体の魅力を高める取組みをしており、待合所をしゃれた設計にしたり、西欧から路面電車を購入したりしている。

back